岡山県備前市三石地区に関するメモ

※この文章は、とある部内誌に投稿したものを大幅に書き直したものです。
 三石駅岡山県備前市三石地区にある。この地区には備前市に存在する11社の耐火物(溶鉱炉や電気炉に使用されるきわめて高い温度に耐えられる煉瓦など)メーカーのうち、4社(三石耐火煉瓦株式会社、ホシレンガ、三石ハイセラム、日本キャスタブル工業)が集中している。また、これら耐火物の生産は備前市の基幹産業でもあり、国内生産の3割を占める。
 三石周辺での耐火煉瓦の生産の歴史は明治時代までさかのぼり、1886年(明治19年)には三石煉瓦製造所が設立。1892年(明治25年)には三石耐火煉瓦株式会社(現在の社名、設立当時の社名は不明)が、1897年(明治30年)には三石クレー株式会社(のちの三石高級耐火工業株式会社、現在の三石ハイセラムの前身)が設立される。以来、三石地区は高品質な耐火煉瓦の生産地として栄えつづける。が、生産高は高度成長期の1973年の122万トンをピークにして、以降は安価な中国製の輸入などにより徐々に落ち込み、現在はピーク時の1/3しかない。従業員も10年前に比べると半分以下。中国の安い製品に押されているのはどこも同じようだ。
暗い話はさておき、このような歴史的な経緯から、街のそこかしこに林立する煙突と煉瓦造りの工場が、独特の雰囲気を醸し出している。以下、今年4月にこの街を歩いたときの記録。
18:03、三石着。改札にて18きっぷを見せると、ありがとうございます。と、かなり感じのいい対応。やせぎすの駅員氏だった。すでに日は傾きはじめていたが、それでも写真を撮るには十分だった。
 

 

 

(上)三石耐火煉瓦株式会社の工場。
(中)工場と道路を挟んで反対側にある倉庫?のような建物。窓の形が独特。
(下)駅ホームから見た三石耐火煉瓦の工場。

 

 
(左)多分意図的に残しているものと思われる…存在意義のほとんどなさげな煉瓦の壁。かーなーりー焼け焦げた跡がありますが、なにがあったのだろう?
(右)株式会社大平(多分合ってるはず)の敷地内にある煙突。この画像ではわかりにくいが、六角形のかなり独特な形状をしている。

  
 三石駅周辺には、三石耐火煉瓦のほかにも、ホシレンガ(そして、星新一を連想してしまう俺。もちろんホシレンガと星新一は無関係)という会社があるものの、こちらはいまいち良い写真が撮れなかったので割愛する。
時間が迫ってきたので、いったん駅に戻り、ホームから写真を撮る。が、お世辞にも上手に風景を捕らえたとはいえない…。その後、また改札に戻り、入場券を買う。駅員氏「大人のでいい?」私「はい」、すると、駅員氏が「記念になるのは、こんなのしかないけれど…」と言いながら渡したのは、岡山支社の時刻表だった。
 その後は、18:43の姫路行きに乗り、三石を後にした。
 
 

参考サイト

 備前市の紹介
  http://www.city.bizen.okayama.jp/sougou/index.jsp
 耐火物のお話
  http://www.optic.or.jp/ceramico/index.html
 三石耐火煉瓦株式会社ホームページ
  http://mtaika.jp/

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